【獣医師監修】猫の膵炎|嘔吐・食欲不振と消化ケア食

猫の膵炎で食欲がなくだるそうな猫 猫の科学

愛猫がなんとなく元気がない、ごはんを食べない、ときどき吐く——はっきりした症状が出にくいぶん、見つけにくいのが猫の膵炎というおなかの病気です。

猫の膵炎は、犬のような激しい腹痛や嘔吐が出にくく、「なんとなく不調」で進むことが少なくありません。この記事では、猫の膵炎について、症状・原因から、血液検査による診断、絶食させない消化ケア食やコバラミン補給までを獣医学研究の根拠とともに解説します。

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猫の膵炎とは|急性・慢性と「三臓器炎」

猫の膵炎は、消化酵素をつくる膵臓に炎症が起こる病気です。急激に悪化する急性膵炎と、ゆっくり続く慢性膵炎があり、猫では症状の軽い慢性膵炎が多いのが特徴です。

急性膵炎と慢性膵炎の違い

項目急性膵炎慢性膵炎
経過急に発症・重症化もゆっくり続く・再発性
症状嘔吐・元気消失・脱水食欲ムラ・体重減少
猫での頻度比較的少ない多い
対応入院・集中治療も食事管理と経過観察

猫の膵炎の症状|嘔吐・食欲不振・元気消失

猫の膵炎で多いサインは、食欲不振・元気消失・体重減少で、嘔吐は犬ほど目立ちません。「隠れて出てこない」「寝てばかり」といった、わかりにくい変化で気づかれることもあります。

ぐったりして動かない、黄疸(白目や歯ぐきが黄色い)、強い脱水がある場合は重症のおそれがあるため、夜間でもすぐに動物病院を受診してください。

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猫の膵炎の原因とリスク|特発性・胆管炎やIBDの併発

猫の膵炎の多くは原因がはっきりしない「特発性」で、他の病気と一緒に起こりやすいのが特徴です。

Cridgeら(2026)は、猫では膵炎・胆管炎・炎症性腸疾患(IBD)が同時に起こる「三臓器炎(トライアディティス)」という状態が知られていると解説しています。膵管と胆管が近い猫の体の構造も関係すると考えられています。

猫の膵炎の診断と治療|血液検査と消化ケア食

猫の膵炎の診断は、膵臓に特異的な血液検査とエコー検査を組み合わせて行います。Rodriguez Godoyら(2026)は、膵臓のリパーゼ活性を調べる検査が猫の膵炎の診断に役立つことを報告しています。

治療は、点滴・吐き気止め・痛み止めなどの支持療法が中心です。かつては絶食が勧められましたが、現在は早めに栄養を入れることが重要とされます。Cridgeら(2024)は、膵炎や併発疾患での食事管理の大切さをまとめ、Carvalhoら(2025)は食欲が落ちた猫にミルタザピンなどの食欲刺激が使われることを示しています。消化しやすい食事で無理なくカロリーを補いましょう。

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猫の膵炎を支えるサプリ|コバラミン(B12)・消化ケア

慢性の膵炎や消化器トラブルでは、ビタミンB12(コバラミン)が不足しやすく、補給が役立ちます。サプリは治療の代わりではなく、食事療法と併用する補助です。

Changら(2024)は、コバラミンが不足した猫への補充の効果を報告し、Kunathら(2024)も慢性の腸トラブルを持つ猫でコバラミンの状態を評価しています。またSzkopekら(2024)は、膵臓の消化酵素が足りないときの酵素補充についてまとめています。腸内環境を整えるサプリもあわせて検討できます。

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猫の膵炎ケアグッズの選び方|失敗しない4つのポイント

猫の膵炎ケアは、消化しやすい食事で栄養を切らさないことを軸に、サプリで不足を補います。

  • 絶食させず、消化しやすい食事で早めに栄養を補う
  • 食欲が落ちたら我慢させず、早めに獣医師へ相談する
  • 慢性膵炎ではコバラミン(B12)など不足しやすい栄養を補う
  • 体重と食欲を記録し、変化を定期的にチェックする

まとめ

猫の膵炎は、嘔吐が目立たず「なんとなく食べない・元気がない」で進むため、見つけにくい病気です。膵臓の血液検査とエコーで診断し、絶食させずに消化しやすい食事で栄養を補うことが回復の鍵になります。慢性膵炎ではコバラミンなどの補給も役立ちます。黄疸や強い脱水は緊急サインなのですぐ受診を。食欲と体重を日ごろから見守ることが、愛猫のおなかを守る第一歩です。

参考文献

食欲不振に続く肝臓の病気として【獣医師監修】猫の脂肪肝(肝リピドーシス)も参考になります。

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