【獣医師監修】猫の嘔吐|吐く原因と毛玉・受診の目安

猫の嘔吐のサイン(ぐったり横たわる猫) 猫の科学

猫はもともと吐きやすい動物で、毛玉や早食いで吐くこと自体は珍しくありません。しかし頻繁に吐く・食後すぐに吐く・毛玉以外のものを吐くといった場合は、病気が隠れていることがあります。

問題は「心配いらない嘔吐」と「受診が必要な嘔吐」を見分けることです。繰り返す嘔吐や、ぐったり・食欲不振をともなう嘔吐は早めの受診が必要です。この記事では、猫が吐く原因と危険なサイン、家庭でできる対策とおすすめのケアグッズを解説します。

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猫はなぜ吐く?|嘔吐のしくみと種類

猫の嘔吐には、毛玉や早食いなどによる生理的なものと、病気による病的なものがあります。生理的な嘔吐は一時的で元気や食欲が保たれますが、病的な嘔吐は繰り返したり他の症状をともないます。Kooら(2025)は、犬と猫の毛玉のかたまり(毛球)や異物のCT画像の特徴を比較検討しており、吐いても出ない異物が見つかることもあります。

心配いらない嘔吐・注意したい嘔吐

食後すぐに未消化のフードを吐く、たまに毛玉を吐くといった場合は、様子を見てよいことが多いです。一方で、何度も吐く・吐いたあともぐったりしている・食欲がない場合は、病気のサインとして受診が必要です。

猫の嘔吐の主な原因

猫が吐く原因は、消化管の問題から全身の病気まで幅広くあります。毛玉・早食い・フードの急な切り替え・異物の誤飲は、よくある身近な原因です。

  • 毛玉(グルーミングで飲み込んだ毛)
  • 早食い・一度に食べすぎる
  • フードの急な切り替え・食物アレルギー
  • 異物の誤飲(ひも・おもちゃなど)
  • 慢性の腸の炎症(慢性腸症・IBD)や消化器型リンパ腫
  • 腎臓病・甲状腺機能亢進症・膵炎・糖尿病などの全身疾患

慢性的に吐く場合、腸の慢性的な炎症やリンパ腫が隠れていることがあります。Webbら(2026)は、猫の慢性的な腸の炎症(リンパ球形質細胞性腸炎)と低グレードの腸リンパ腫の見分け方について整理しています。またKarraら(2026)は、慢性腸症の猫で膵臓の値(膵リパーゼ)を継続的に測り、膵炎の併発を評価しています。

毛玉による嘔吐

長毛種や換毛期には、毛玉を吐く回数が増えます。Loureiroら(2017)は、食物繊維(ビートパルプ)が猫の毛玉の便への排出を助けることを報告しています。ただしPawenskiら(2023)は、毛玉が腸に詰まって閉塞を起こした猫の例を報告しており、毛玉でも繰り返し吐く・食欲が落ちる場合は注意が必要です。毛玉の対策は猫のヘアボール(毛球症)原因と予防でくわしく解説しています。

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危険な嘔吐のサイン|受診の目安

次のような嘔吐は、様子を見ずに動物病院を受診してください。何度も吐く・血が混じる・ぐったりする・食欲がない・下痢をともなう場合は受診が必要です。

  • 1日に何度も吐く・数日続く
  • 吐いたものに血が混じる・茶色っぽい
  • ぐったりする・隠れて出てこない
  • 食欲がない・水も飲まない
  • 下痢や体重減少をともなう
  • ひもや異物を飲み込んだ疑いがある

慢性的に吐く場合の検査

繰り返す嘔吐では、血液検査や超音波検査に加え、内視鏡や生検で腸の状態を調べることがあります。Parkら(2026)は、慢性腸症の猫で血中コバラミン(ビタミンB12)の値が病気の程度や経過と関連することを示しており、慢性的な嘔吐の背景を見極めるには複数の検査を組み合わせることが大切です。

家庭でできる猫の嘔吐対策

家庭では、毛玉ケア・早食いの防止・フードの見直しが嘔吐対策の基本です。こまめなブラッシングで飲み込む毛を減らし、毛玉ケアフードや毛玉除去剤で排出を助けます。早食いには、食べるのに時間がかかる食器や少量をこまめに与える工夫が有効です。

猫の嘔吐・毛玉ケアにおすすめのフード・グッズ4選

ここでは、毛玉や早食いによる嘔吐のケアに役立つフードやグッズを紹介します。繰り返す嘔吐や元気がない場合は、自己判断せず動物病院を受診してください。

毛玉が気になる子には、毛玉の排出に配慮した毛玉ケアフードが役立ちます。

ロイヤルカナン ヘアボールケア(成猫用)

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毛玉の排出に配慮した食物繊維配合の成猫用フード。毛玉を吐きやすい子の食事管理に。

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早食いや食後すぐの吐き戻しには、傾斜のついた早食い防止食器が便利です。

Petbamu 吐き戻し・早食い防止 食器

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食べるスピードをゆるめる傾斜付きの食器。早食いによる吐き戻しの対策に。

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毛玉の排出をなめらかにしたいときは、毛玉除去剤のラキサトーンが定番です。

ラキサトーン(毛玉ケア)

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毛玉の排出をなめらかにする毛玉除去剤。毛玉による嘔吐が気になる子の補助に。

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腸内環境を整えたい子には、猫用の腸活サプリも選択肢になります。

kokonyable(猫用 腸活サプリ)

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乳酸菌などで腸内環境を内側から整えるチュアブルサプリ。日々の消化ケアに。

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猫の嘔吐の予防のポイント

予防の基本は、こまめなブラッシング・早食いの防止・フードを急に変えないこと・ストレスを減らすことです。全身の病気が隠れていることもあるため、嘔吐が続くときは腎臓や甲状腺の病気も含めて調べてもらいましょう。

吐くことが多い猫は、甲状腺の病気が関わることもあります。猫の甲状腺機能亢進症|症状と治療も参考にしてください。

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まとめ

猫はもともと吐きやすい動物ですが、頻繁に吐く・毛玉以外を吐く・ぐったりするといった嘔吐は病気のサインかもしれません。原因は毛玉や早食いなどの身近なものから、慢性腸症・リンパ腫・全身疾患まで幅広くあります。家庭では毛玉ケアと早食い防止を心がけ、繰り返す嘔吐や元気のない嘔吐は早めに動物病院へ相談しましょう。日ごろのブラッシングと食事の工夫が、嘔吐を減らすいちばんの対策です。

参考文献

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