【獣医師監修】猫の肝リピドーシス(脂肪肝)|食欲不振と高栄養食

猫の脂肪肝(肝リピドーシス)と肥満のリスク 猫の科学

太り気味の愛猫が、数日ごはんを食べていない——「そのうち食べるだろう」と待っているうちに、猫の脂肪肝(肝リピドーシス)という命に関わる病気が進むことがあります。

猫の脂肪肝は、食べない状態が続くと肝臓に脂肪がたまって働かなくなる、猫に特有の重い病気です。カギは「早く栄養を入れること」。この記事では、猫の脂肪肝について、症状・原因から、早期の栄養補給と高栄養食、肝臓ケアのサプリまでを獣医学研究の根拠とともに解説します。

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猫の脂肪肝(肝リピドーシス)とは|肝臓に脂肪がたまる病気

猫の脂肪肝は、肝臓の細胞に中性脂肪がたまりすぎて、肝機能が低下する病気です。正式には肝リピドーシスと呼ばれ、数日の食欲不振をきっかけに、猫だけに特有の形で急速に進むことがあります。Blanchardら(2004)は、脂肪肝が起こる過程と治療中の脂質の変化を詳しく調べています。

猫の脂肪肝の症状|食欲廃絶・黄疸・よだれ

猫の脂肪肝では、急な食欲廃絶・体重減少・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が代表的なサインです。よだれ(流涎)、嘔吐、ぐったりして動かないといった様子も見られます。

黄疸が出ている、まったく食べずぐったりしている場合は、すでに肝臓が弱っているおそれがあります。放置は命に関わるため、夜間でもすぐに動物病院を受診してください。

猫の脂肪肝の原因とリスク|肥満・絶食・併発疾患

猫の脂肪肝は、肥満の猫が何らかの理由で食べなくなったときに起こりやすい病気です。ストレスや食事の切り替え、環境の変化がきっかけになることもあります。

多くは、膵炎やIBD、糖尿病などの別の病気で食欲が落ちたことに続いて起こります。Simpsonら(2015)は、猫では膵炎や三臓器炎が食欲不振を介して脂肪肝につながりうると解説し、Verbruggheら(2021)も肥満の猫で脂質やアシルカルニチンの代謝が変化することを示しています。

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猫の脂肪肝の治療|早期の栄養補給と高栄養食

猫の脂肪肝の治療で最も大切なのは、できるだけ早く積極的に栄養を入れることです。無理な絶食は厳禁で、重症例では食道や胃にチューブを入れて確実に栄養を届けます。

Wallaceら(2024)は、経腸栄養(口や消化管からの栄養補給)を早く始めた猫ほど予後が良いことを示しました。少量で高カロリー・高タンパクをとれる回復期用の食事で、栄養を切らさないことが回復への近道です(急に大量に与えると危険なため、必ず獣医師の指示に従います)。

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猫の脂肪肝を支える療法食とサプリ|肝ケア・L-カルニチン

回復後は、肝臓に配慮した食事と肝ケアのサプリで、猫の脂肪肝の再発を防ぎます。Kuziら(2017)は、脂肪肝の猫の予後に関わる指標を調べ、適切な管理の重要性を示しています。

L-カルニチンやコリンは脂肪の代謝に関わる成分ですが、Rankovicら(2025)によればサプリとしての効果ははっきりしておらず、過度な期待は禁物です。あくまで獣医師の指示による食事療法を軸に、肝臓ケアのサプリは補助として取り入れましょう。

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猫の脂肪肝ケアグッズの選び方|失敗しない4つのポイント

猫の脂肪肝ケアは、栄養を切らさないことを最優先に、肝臓ケアと再発予防を組み合わせます。

  • 2〜3日食べない状態を放置せず、早めに受診する
  • 回復期は高カロリー・高タンパクの食事で栄養を確保する
  • 急に大量に与えず、獣医師の指示で少しずつ増やす
  • 肥満を避け、食事の切り替えは数日かけて徐々に行う

まとめ

猫の脂肪肝(肝リピドーシス)は、肥満の猫が数日食べないことをきっかけに急速に進む、命に関わる病気です。治療の決め手は「早く・しっかり栄養を入れる」こと。黄疸や食欲廃絶に気づいたらすぐ受診し、回復期は高栄養の食事で栄養を切らさないことが回復率を大きく高めます。肥満を避け、2〜3日食べないときは様子を見すぎないことが、愛猫を脂肪肝から守る何よりの予防になります。

参考文献

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