【獣医師監修】犬の肝臓病・胆泥症|肝臓ケアフードとサプリ

犬の肝臓病・胆泥症で休む犬 犬の科学

愛犬が最近ごはんを食べない、吐く、白目や歯ぐきが黄色い——それは犬の肝臓病や胆泥症など、肝臓・胆のうのトラブルのサインかもしれません。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり障害が進むまで症状が出にくいのが特徴です。この記事では、犬の肝臓病と胆泥症について、症状・原因から、肝臓ケアフード(療法食)やSAMe・シリビンなどのサプリによるケア、再発予防までを獣医学研究の根拠とともに解説します。

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犬の肝臓病・胆泥症とは|「沈黙の臓器」と胆のうのトラブル

犬の肝臓病は、肝臓の細胞がダメージを受けて働きが低下する病気の総称です。肝臓は再生力と予備能力が高いため、7〜8割が障害されるまで目立った症状が出にくく、気づいたときには進行していることもあります。

胆のうのトラブルも身近です。胆汁がドロドロになって泥状にたまる状態を胆泥症といい、多くは無症状ですが、進行すると胆汁が固まって胆のうに充満する胆嚢粘液嚢腫へつながることがあります。Teixeiraら(2024)は、肥満や高脂血症といった食事・代謝の要因が犬の胆のう疾患に関わることを示し、Murakamiら(2026)も胆嚢粘液嚢腫で胆のうを摘出した犬では肝臓にも組織の変化がみられることを報告しています。

胆泥症と胆嚢粘液嚢腫の違い

項目胆泥症胆嚢粘液嚢腫
状態胆汁が泥状にたまる粘液状の胆汁が固まり胆のうに充満
症状多くは無症状食欲不振・嘔吐・黄疸・腹痛
主なリスク経過とともに進行することも胆のう破裂・胆管閉塞
対応食事・利胆薬・経過観察重症は外科(胆のう摘出)

犬の肝臓病の症状|食欲不振・嘔吐・黄疸・多飲多尿

犬の肝臓病でよくみられるサインは、食欲不振・嘔吐・元気消失・黄疸です。さらに進行すると、おしっこの色が濃くなる、おなかに水がたまる(腹水)、ふらつきや発作(肝性脳症)などがみられることもあります。

多飲多尿をともなう場合は、クッシング症候群や糖尿病などのホルモン疾患が背景に隠れていることもあります。

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白目や歯ぐきが黄色い黄疸、強い腹痛、ぐったりして立てない——これらは胆のう破裂や重い肝障害のおそれがあるため、夜間でもすぐに動物病院を受診してください。

犬の肝臓病の原因とリスク|胆のう疾患・銅の蓄積・加齢

犬の肝臓病の原因は、胆のう疾患・中毒・感染・銅の蓄積・加齢など多岐にわたります。シニア犬や、ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエルなどは胆嚢粘液嚢腫が多い傾向が知られています。

遺伝的に肝臓へ銅がたまりやすい犬種(ベドリントン・テリア、ラブラドール・レトリーバーなど)では、銅関連の慢性肝炎にも注意が必要です。Ullalら(2025)は犬の銅関連慢性肝炎をヒトのウィルソン病と比較して整理し、Centerら(2026)は銅を控えた食事が肝臓への銅の蓄積リスクを下げることを示しています。

犬の肝臓病の診断と治療|肝臓ケアフード(療法食)

犬の肝臓病の治療は、原因への対処と、肝臓の負担を減らす食事療法が柱になります。診断では血液検査(ALT・ALP・GGT・総ビリルビン・胆汁酸)やエコー検査で肝臓・胆のうの状態を確認します。

Stockmanら(2025)は、犬や猫の肝胆道疾患では、質のよいタンパク質を適量与えつつ銅や脂肪を調整した食事管理が重要だと解説しています。肝臓ケア用の療法食は、こうした栄養バランスを整えて肝臓の働きを支える設計です。ただし療法食は自己判断ではなく、必ず獣医師の指示のもとで選びましょう。

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犬の肝臓をサポートするサプリ|SAMe・シリビン・ウルソ

肝臓ケアでは、SAMe(サミー)やシリビンなどの肝保護成分を含むサプリも補助として使われます。いずれも療法食の代わりではなく、あくまで食事療法と併用する補助的な位置づけです。

Auら(2013)は、SAMe(S-アデノシルメチオニン)とシリビン(ミルクシスル由来成分)が犬の肝細胞を酸化ストレスから守る働きをもつことを示しました。Leeら(2025)は無症候性の胆嚢粘液嚢腫の犬で肝保護薬の効果を検討し、Deitzら(2015)は胆汁の流れを助けるウルソデオキシコール酸が犬の胆汁酸バランスに与える影響を報告しています。これらの成分を含むサプリは、肝臓や胆のうのケアを日常的に支える選択肢になります。

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犬の肝臓病・胆泥症のケアグッズの選び方|失敗しない4つのポイント

犬の肝臓病ケアは、療法食を軸に、肝保護サプリと定期的な血液検査を組み合わせるのが基本です。

  • 肝臓の数値や原因を検査で確認してから療法食を選ぶ
  • 療法食・サプリは獣医師の指示のもとで続ける(自己判断の長期使用はNG)
  • 肥満・高脂血症を避け、脂っこいおやつを与えすぎない
  • 半年〜1年ごとの血液検査で肝臓の数値を定期チェックする

まとめ

犬の肝臓病や胆泥症は、「沈黙の臓器」ゆえに気づきにくい病気ですが、食欲不振や黄疸などのサインを早めにとらえ、肝臓ケア療法食と肝保護サプリで肝臓の負担を減らせば、進行をゆるやかにできます。黄疸や強い腹痛がある場合は緊急受診を。日ごろから肥満を避け、定期的な血液検査で肝臓の数値を見守ることが、愛犬の肝臓を守る何よりの予防になります。

参考文献

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